シロアリとダンゴムシ・ワラジムシの違い|床下で見つけた虫の見分け方

結論からいうと、シロアリとダンゴムシ・ワラジムシは、見た目だけでなく生物としての分類もまったく異なります。

シロアリは昆虫ですが、ダンゴムシとワラジムシはエビやカニに近い甲殻類です。

特に見分けやすいのは、脚の数、体表の硬さや節、色、動き方、丸くなるかどうか、木材へ被害を与えているかです。

ただし、ダンゴムシやワラジムシも湿った床下や建物周辺で見つかるため、「床下にいた」「湿気の多い場所にいた」という場所だけでは判断しないことが大切です。

シロアリ・ダンゴムシ・ワラジムシの違いを写真付きで比較。昆虫と甲殻類の分類、脚の数、体の色や節、丸くなる習性、木材被害の有無など、見分け方のポイントを解説。

シロアリ・ダンゴムシ・ワラジムシの違いを比較

比較項目シロアリダンゴムシワラジムシ
分類昆虫甲殻類・等脚目甲殻類・等脚目
脚6本昆虫より多く、成体では7対の歩脚昆虫より多く、成体では7対の歩脚
体の見た目働きアリは白~乳白色で柔らかい硬い殻状で、節がはっきりしている平たく、節がはっきりしている
刺激したとき暗い場所へ逃げようとする丸くなる種類が代表的丸くならず、すばやく逃げる
主な場所土中、木材内部、蟻道、床下など落葉、石の下、植木鉢、湿った外周など落葉、朽木、石・ゴミの下、床下など
住宅木材への影響木材を食害するシロアリのように住宅構造材内部を食害する虫ではないシロアリのように住宅構造材内部を食害する虫ではない

もっとも分かりやすい確認点は「脚」と「体の形」です。

シロアリは昆虫なので脚は6本です。一方、ダンゴムシ・ワラジムシは甲殻類で、体の左右に多数の脚が並び、背中には硬い板のような節が見えます。

関連ページ:シロアリの階級(女王・王・職蟻・兵蟻)/ヤマトシロアリの特徴

ダンゴムシ・ワラジムシは昆虫ではありません

名前に「ムシ」と付いているため昆虫の仲間に思えますが、ダンゴムシとワラジムシは昆虫ではありません。

分類上は等脚目に属する甲殻類で、エビやカニに近いグループです。

体は複数の硬い節に分かれ、成体では左右に7対の歩脚があります。

シロアリの働きアリのような、白っぽく柔らかい体とは外見が大きく異なります。

ダンゴムシとワラジムシは「丸くなるか」で見分けやすい

ダンゴムシとワラジムシ同士も非常によく似ています。

代表的なオカダンゴムシでは、刺激を受けると体を丸める行動がよく知られています。

一方、一般的なワラジムシ類は完全な球状には丸まらず、体を低くしてすばやく移動します。

そのため、

  • 丸い球状になる → ダンゴムシ類を考える
  • 丸くならず、平たいまま逃げる → ワラジムシ類を考える

という違いは確認材料になります。

ただし、虫を無理につぶしたり強く刺激したりする必要はありません。安全に観察できる範囲で確認してください。

シロアリは白っぽいから簡単に分かる?

シロアリの働きアリ・兵アリ・羽アリの体色の違いを写真付きで比較した図解。働きアリは乳白色、兵アリは頭部が黄褐色、羽アリは黒褐色や黄褐色になる種類があり、色だけでなく脚・触角・体のくびれ・蟻道や木材被害を確認する重要性を解説。

色だけで判断するのはおすすめできません。

ヤマトシロアリやイエシロアリの働きアリは乳白色から白っぽい体をしていますが、兵アリでは頭部の色が濃く見えることがあります。

また、羽アリになると体色が黒褐色や黄褐色になる種類もあります。

したがって、「白い虫=シロアリ」「黒い虫=シロアリではない」という判断はできません。

脚、体の節、触角、周囲の蟻道や木材被害などを合わせて確認します。

関連ページ:白いアリはシロアリ?家で見つけた白い虫の確認/羽アリの見分け方(クロアリとの違い)

床下にダンゴムシやワラジムシがいるのはなぜ?

ダンゴムシ・ワラジムシ類は、乾燥した場所よりも湿気のある環境で見つかりやすい生き物です。

名古屋市衛生研究所は、ワラジムシ類について、湿気の多い落葉中、石の下、朽木や倒木の隙間、ゴミの下、家屋の床下などに生息すると説明しています。

雨の後など湿度が高いときには移動し、家屋内へ侵入することもあります。

そのため床下で多数見つかった場合は、虫そのものだけでなく、

  • 床下が長期間湿っていないか
  • 水漏れがないか
  • 雨水が入り込んでいないか
  • 朽木や腐った木材がないか
  • 建物外周に落葉や木片がたまっていないか

などを確認する材料になります。

関連ページ:床下の湿気とシロアリ予防/床下換気の重要性

ダンゴムシ・ワラジムシがいるとシロアリもいる?

ダンゴムシやワラジムシがいるという理由だけで、シロアリがいるとは判断できません。

両者は別の生き物です。

ただし、湿った木材や床下など、環境条件が一部重なることはあります。

そのため、「ダンゴムシがいたからシロアリが発生している」のではなく、湿気などの共通する環境条件がないかを見るのが正確です。

シロアリの有無は、別に蟻道、蟻土、食害、羽アリ、虫体などを確認します。

関連ページ:シロアリが発生しやすい場所

シロアリを疑うなら虫だけでなく周囲を見る

シロアリを疑う際に確認したい周囲の兆候を写真付きで解説したインフォグラフィック。基礎や木材にできる土状の蟻道、木材内部の食害や空洞、羽アリや大量の落ちた羽の特徴を紹介。ダンゴムシ・ワラジムシとの違いや、シロアリの脚・体のくびれ・数珠状の触角、羽アリと通常のアリの見分け方も比較。

床下や玄関で小さな虫を見つけた場合、虫だけを拡大して見るより、その周辺にシロアリ特有の兆候がないかを確認することが重要です。

基礎や木材に土の筋がある

ヤマトシロアリやイエシロアリなどの地下性シロアリは、基礎や束石、木材表面などに土状の通路「蟻道」をつくることがあります。

ダンゴムシやワラジムシが、このような細長い土の通路をつくって木材内部へ侵入するわけではありません。

木材内部が食害されている

木材表面の内側が空洞状になっている、木材内部に食痕がある、表面だけ残って崩れやすくなっている場合は、シロアリ被害も確認します。

ダンゴムシ・ワラジムシは腐った植物質などを利用しますが、住宅の土台・柱などをシロアリのように集団で内部から食害する木材害虫ではありません。

羽アリや大量の羽がある

春から夏などに羽の付いた虫や大量の落ちた羽が見つかった場合は、ダンゴムシ・ワラジムシとは別の確認が必要です。

シロアリの羽アリでは4枚の羽がほぼ同じ大きさ・形で、触角は数珠状、胴体にはアリのような細いくびれがありません。

関連ページ:シロアリ被害の症状・サイン/シロアリセルフチェック

玄関でダンゴムシを見つけてもシロアリ被害とは限らない

玄関まわりは屋外と室内の境界にあるため、ダンゴムシやワラジムシが入り込むことがあります。

特に雨の後、植木鉢や落葉、石などが玄関付近にある場合は見つかることがあります。

一方で、玄関はシロアリの確認場所としても重要です。

玄関土間と建物基礎の境界、木製の玄関枠、框、周辺の壁などでシロアリ被害が確認される場合があります。

つまり、同じ「玄関で虫を見つけた」という状況でも、

  • ダンゴムシ・ワラジムシが外から入り込んだ
  • シロアリが建物内部で活動している

では意味が大きく異なります。

関連ページ:玄関のシロアリ被害

白い小さな虫が床下にいた場合はどう見る?

白い小さな虫がいたという情報だけでは、シロアリかどうかを断定できません。

次の順番で確認すると整理しやすくなります。

  1. 虫の全体を上から撮影する
  2. 横から体の形を撮影する
  3. 脚の数が分かる写真を撮る
  4. 発見場所全体を撮影する
  5. 周囲に蟻道や蟻土がないか確認する
  6. 木材に食害や柔らかさがないか確認する

虫だけの接写より、どこから出たのかが分かる写真も残してください。

関連ページ:白い虫を見つけたときの確認ポイント

ダンゴムシ・ワラジムシを見つけたときに確認すること

ダンゴムシ・ワラジムシらしい虫であれば、シロアリ防除を前提にするのではなく、まず発生環境を確認します。

  • 室内へどこから入り込んでいるか
  • 家の外周に落葉や朽木がたまっていないか
  • 植木鉢や石の下に多数集まっていないか
  • 床下に漏水や異常な湿気がないか
  • 雨の後だけ増えていないか

床下の湿気を確認することと、シロアリ防除の必要性を判断することは別です。

湿気があるからシロアリ施工が必要、ダンゴムシがいるからシロアリがいる、と短絡的に判断しないようにします。

関連ページ:シロアリ点検(無料床下調査)/点検は本当に無料?

シロアリが疑われるときに避けたいこと

シロアリが疑われるときに避けたい5つの行動を写真付きで解説したインフォグラフィック。蟻道をすべて壊す、虫の出た隙間を埋める、木材を大きく削る、発見した虫を処分する、原因確認前に広範囲へ殺虫剤を使用する行為を紹介。代わりに虫を透明な容器に保存し、発見場所や周囲の写真を記録して専門業者に相談する方法を説明。

シロアリかどうか分からない段階で、次の行動は避けた方が確認しやすくなります。

  • 蟻道らしい土の筋をすべて壊す
  • 虫が出た隙間をすぐ埋める
  • 木材を大きく削る
  • 発見した虫をすべて処分する
  • 原因確認前に広範囲へ殺虫剤を使用する

可能であれば、虫を数匹透明な容器などへ保存し、発見場所と周辺の写真を残します。

関連ページ:DIYと業者依頼の違い

シロアリ・ダンゴムシ・ワラジムシのQ&A

Q.床下にダンゴムシがたくさんいたらシロアリもいますか?

ダンゴムシが多いことだけではシロアリの有無は判断できません。ただし、湿気の多い環境が共通することがあるため、床下の水分状態とともに、蟻道や木材食害がないかを別に確認します。

Q.ワラジムシは木材を食べますか?

ワラジムシ類は腐敗した植物質などを利用しますが、住宅の土台や柱をシロアリのように内部から集団で食害する木材害虫とは性質が異なります。

Q.ダンゴムシとワラジムシは何が一番違いますか?

分かりやすい違いの一つは、刺激を受けたときの反応です。代表的なダンゴムシは球状に丸まりますが、一般的なワラジムシは完全には丸まらず、平たい体のまま移動します。

Q.シロアリも触ると丸くなりますか?

ダンゴムシのように球状には丸まりません。シロアリは光や乾燥を避けるため、露出すると暗い場所や隙間へ移動しようとします。

Q.脚の数だけでシロアリを見分けられますか?

大きな判断材料になります。シロアリは昆虫なので脚は6本です。ダンゴムシ・ワラジムシは甲殻類で、それより多くの脚があります。ただし、小さくて数えにくい場合は無理に触らず、拡大写真で確認してください。

Q.家の中にダンゴムシが入ってきたら建物に問題がありますか?

一度入り込んだだけで建物異常とは判断できません。雨の後などに屋外から侵入することがあります。ただし、繰り返し多数見つかる場合は、侵入箇所や周辺の湿気、床下環境などを確認する材料になります。

Q.ダンゴムシだと思って放置したら実はシロアリ、ということはありますか?

虫を遠目で見ただけでは誤認することがあります。ただし、体の形や脚の数は大きく異なるため、接写写真があれば切り分けやすくなります。さらに蟻道、木材食害、羽など周辺の兆候を合わせて確認してください。

まとめ|床下の虫は「湿った場所にいた」だけでシロアリと決めない

床下で見つかる虫について、湿った場所にいたという理由だけでシロアリと決めてはいけないことを写真付きで解説したインフォグラフィック。シロアリとダンゴムシ・ワラジムシの違い、脚の本数や体の形、ダンゴムシは丸くなる・ワラジムシは平たいまま逃げる特徴を比較し、蟻道・蟻土・木材内部の食害・羽アリ・落ちた羽など周囲の兆候を確認する重要性を説明。虫の種類が分からない場合は、虫と発見場所全体、木材や基礎の写真を残す方法も紹介。

シロアリとダンゴムシ・ワラジムシは、まったく異なる生き物です。

シロアリは昆虫で脚は6本、木材を食害します。一方、ダンゴムシ・ワラジムシは甲殻類で、硬い節のある体と多数の脚を持ちます。

特にダンゴムシは丸くなる、ワラジムシは平たいまま逃げるという違いも見分ける材料になります。

ただし、いずれも床下など湿気のある場所で見つかることがあるため、発見場所だけで判断してはいけません。

シロアリが心配な場合は、虫そのものに加えて、蟻道、蟻土、木材内部の食害、羽アリ、落ちた羽などがないかを確認します。

虫の種類が分からない場合は、虫の接写だけでなく、発見場所全体と周辺の木材・基礎が分かる写真を残しておくと、状況を整理しやすくなります。

シロアリ・ダンゴムシ・ワラジムシの見分け方を写真付きの8コマ漫画で解説。床下で見つかる虫の脚の数、体の形、色、丸くなる習性を比較し、働きアリ・兵アリ・羽アリの特徴を紹介。湿った場所にいるだけではシロアリと判断できないことや、蟻道・木材内部の食害・落ちた羽などの確認ポイント、殺虫剤の使用を避けて虫や発見場所の写真を記録する重要性を説明。

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