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熊本でもアライグマの被害が起きているってご存知でしたか?
アライグマといえば、つぶらな瞳と洗うような仕草が愛くるしく、かわいい動物というイメージがありますが・・・
実は、農作物に被害をもたらす特定外来生物の一種で、農家や自治体を大いに悩ませている存在なんです。
農林水産省の調査によれば2016年度の被害額は全国で約3億3千万円に達しています。
九州においては、平成21年度時点で「長崎・佐賀・福岡」の3県にしかアライグマの生息確認がなされていませんでした。
しかし、近年では、繁殖力の強さ・天敵となる生物(オオカミやオオヤマネコといった大型肉食獣)がいないなどの理由から、「長崎・佐賀・福岡・大分」の4県ほぼ全域にアライグマの生息が確認されています。
熊本県は「長崎・佐賀・福岡・大分」の4県に比べると、アライグマの捕獲件数は33頭(2019年3月19日現在)と少なめですが、生息が確認されている地域が下記のように徐々に拡大しています。2018/12/5の段階では28頭でしたので、3ヶ月のうちに新たに5頭捕獲されたことになります。
【アライグマの生息が確認された地域】
平成25年2月 | 熊本市・上益城郡御船町 |
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平成30年8月 | 熊本市、荒尾市、玉名市、山鹿市、菊池市、宇城市、宇土市、玉名郡玉東町・和水町・南関町、阿蘇郡小国町・高森町、上益城郡御船町・山都町 |
平成31年3月 | 熊本市、荒尾市、玉名市、山鹿市、菊池市、宇城市、宇土市、天草市、玉名郡玉東町・和水町・南関町、阿蘇郡小国町・高森町、上益城郡御船町・山都町 |
徐々に生息が確認された地域が増えて、エリアが拡大しているのが分かります。(追加された地域を赤太字で示しています)
なにかしらの対策をとらなければ、熊本県でもアライグマの生息域の拡大し、個体数が増えることで、農作物被害や家屋侵入による被害がより多く発生することになってしまいます。
このままでは対岸の火事というわけにはいかなくなるかもしれません。
アライグマ被害の特徴
熊本県に生息しているアライグマの個体数は少ないですが、近県の状況をみていると、アライグマによる農作物被害の発生は時が経つにつれて増大していくと思われます。
実際に被害にあったとき、アライグマ被害なのかどうか判断するにはどうしたらよいのでしょうか?
食べた痕跡(食痕)で判断する
タヌキ・イタチ・ハクビシンと比べて、アライグマは指が長く、とても器用に物を握ることができます。
そのことから、アライグマの仕業なのかどうかを判断するのは容易です。
↑ アライグマが食べたスイカの写真
アライグマは、スイカに直径5~6cmの穴を開けて、前肢を使ってくりぬくように中身だけを食べます。
アライグマにスイカの差し入れをいただきました????
穴を開けるとそこに手を入れて中身を取り出して食べています。
(本来なら自分で穴も開けるはずなのですが、この個体は高齢のため食べやすくして与えています)#旭山動物園 #asahiyamazoo#アライグマ #racoon#北海道産動物舎 pic.twitter.com/aQe34rK4Ed
— 旭川市旭山動物園[公式] (@asahiyamazoo1) 2019年6月3日
ちなみにハクビシンは顔を突っ込んで中身を食べるため、アライグマより穴が大きくなります。
下の写真と比べると明らかに食べ方に差がありますよね。
↑ ハクビシンが食べたスイカの写真
もうひとつ例をあげます。
トウモロコシも前肢で器用に皮をむいて、実の部分だけを食べます。
人間が食べたんじゃないかと思うくらい、皮を綺麗にむいて食べています。
↑ アライグマがトウモロコシを食べた写真
ちなみにアライグマは、食べられるものならなんでも食べます。
カマキリやバッタ、アリなどの昆虫、ザリガニ、サンショウウオ、エビ、サカナ、カエル、ニシキゴイなどの水辺の生きもの、ミカン、カキ、ブドウ、ナシなどの果物、トウモロコシ、スイカ、ミニトマトなどの甘みのある野菜、鳥の卵などいろんなものを食べます。
足跡で判断する
食痕による判別のほかに、「足跡」があります。
アライグマの足跡はとても特徴的です。
他の害獣に比べて、指が長く、5本がはっきりと分かれて、まるで人間の赤ちゃんの手形に似たような足跡になっています。
足裏のかかとまで地面につける歩き方をしているため、明瞭に足跡が残ります。
前足の足跡は長さ5.5cm、幅6cm程度。後ろ足は長さ6.5cm~8cm、幅5~6.5cm程度になります。
かなり特徴的な食痕と足跡を残すので、アライグマによる侵入なのかどうかは簡単に判別できると思います。
アライグマの生態は?
可愛らしいイラストや写真で見ることが多いアライグマですが、その生態はどんなものなのでしょうか?
詳しく解説していきます。
アライグマの身体的特徴をまとめてみました。
毛色 | 灰色~明るい赤褐色。目の周辺にはっきりとした黒いマスク模様があります。 |
---|---|
しっぽ | 4~7本の黒いリング模様があります。 |
手足 | 前足、後ろ足ともに5本指。前足の指が長く、物をつかむことができます。 |
大きさ | 体重は2kg~10kg 全長:60cm~100cm(しっぽの長さ:20cm~40cm) |
足跡 | 人間の赤ちゃんの手形に似ています。 |
その他 | ヒゲは白く目立ちます。耳のふちが白いのが特徴です。 |
日本には元来アライグマは生息していませんでしたが、ペットとして大量に輸入されたのが最初です。
見た目とは裏腹に性格は凶暴なため、飼い主ですら噛むことがあり、手が負えずに捨てられてしまったという経緯があります。
野に放たれたアライグマは野生化し、天敵が少ないため地域に定着し個体を増やし、農作物だけでなく、家屋に侵入して害を及ぼすようになりました。
2005年に特定外来種に指定され、2018年現在ペットとして個人でアライグマを飼育することは禁止されています。
野生のアライグマの寿命は約5年、飼育されているアライグマは約15年程度と言われています。
交尾期は基本的に1月~2月で、出産期は3月~4月。
2ヶ月間の妊娠期間を経て、1~6匹出産をしますが、妊娠に失敗したり子どもが死んだ場合は、夏から秋に再交尾をし、出産する場合もあります。
産まれた子どもは秋の終わり頃まで母親と行動も共にします。
アライグマは主に夜間に活動しますが、昼間に活動することもあります。
ねぐらは建物の天井裏や野積みされた枝や廃材の下、アナグマが掘った穴などを利用しています。
複数のねぐらを持ち、転々としながら農作物等に被害を与えています。
行動圏はエサの量によって大きく異なりますが、エサが豊富な都市部では狭い範囲で生活しています。
アライグマは木登りが得意で、爪と手のように使える前足を巧みに使い登っていきます。
アライグマの木登りpic.twitter.com/W6UvjeCZzs
— 自然・動物・生き物-スマホケース販売中!- (@jamafra1243) 2017年5月25日
また、前足で物を掴んだり扉を開けることができるため、あらゆる場所から侵入する可能性があるので、他の害獣と比べると厄介です。
アライグマと似ているタヌキとの違い
アライグマと似ているタヌキですが、よくみるといくつか特徴的な違いがあります。
後ろ姿でみたときは「しっぽがしましまかどうか?」
顔を観察することができるなら「眉間に黒い筋があるかどうか?」
足跡を確認できたなら「足跡が犬っぽいか?赤ちゃんの手っぽいか?」
これに尽きます。とっさに写真や動画を取れればよいですが、人間動揺すると
タヌキ(沖縄県を除くほぼ全国に分布)
- 頭胴長50~60cm、尾長20cm、体重は3~5kg程度
- 尾は短く(20cm以下)、縞模様はない
- 全体的に茶色っぽい、足はほぼ全体が黒い
- 耳は丸い
- つま先だけ地面につけて歩き、花模様に似た足跡
- ヒゲは黒く目立たない
ハクビシン(一部の府県を除く本州、四国に分布)
- 頭胴長60~65cm、尾長40cm
- 尾は長く、縞模様はない
- 顔の中央に白い線がある
- 顔の大きさに比べて耳は大きい
- 足は短く、体全体が細長い
- アライグマに比べ体は小さい
- 足は黒っぽい部分が多い
アライグマかどうかを判別するチェックシート
熊本ではまだマイナーな害獣「アライグマ」ですが、生息域は徐々に拡大しております。
定着してしまったアライグマは農作物だけでなく住宅にも侵入し被害をもたらします。
以下の項目にひとつでもあてはまった場合は、アライグマが近くに来ていたり、住みついている可能性があります。
- 建物のまわりや側溝などに5本指の足跡がある。
- 庭に植えてある果樹が食い荒らされた。
- 池の金魚や鯉が食べられた。
- スイカに丸い穴が開いていて中身が空になっていた。
- トウモロコシが皮をむいて食べられてた。
- 柱や戸袋、雨樋に5本指の泥のついた足跡や爪痕があった。
- 天井板がずれていた。
- 天井にシミができた。
- 天井裏にフンのようなものが大量にある。
自治体や駆除業者に連絡して、できるだけ早く駆除しましょう。
アライグマの生息域拡大を防ぐためにも、発見したらすぐ連絡してください。ご協力お願いいたします。
害獣・害虫のことならお気軽にご相談ください。
弊社はお客さま第一主義としています。
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